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ヤマハ Passol / Passol-L

Passol 2003-

ヤマハ Passol

パッソルはヤマハに古くから有るスクーターの名前ですが、ここでは電動バイクとして2003年に登場したPassolのお話です。
環境に優しいクリーンなシティーコミューターとして開発され、スクーターというより自転車に近いくらい細身のボディは45kgと超軽量です。アルミのパイプフレームも見た目の面白さが有ります。
開発にはヤマハのハイブリッド電動自転車パスの技術が投入され、50ccスクーター以上に気軽に乗れる乗り物を目指した製品です。

車体サイズは1530×600×995mmで、50ccスクーターより一回り小さく設計されています。ホイールベースも1040mmと短く、最小回転半径1.6mという非常に小回りの利く車体に仕上げているのが特徴です。
ホイールは前後12インチでボディサイズからしてはやや大きく、タイヤも60/100-12のサイズに設定されています。ブレーキは前後ともドラムブレーキです。
前後のホイールやフロントフォークアウターチューブなどはアルミ材を使用することで軽量に仕上げています。

モーターの定格出力は0.58kw、最高出力は0.95kwです。これは後に続くE-Vinoや、EC-02に比べるとやや非力ですね。実際パワー不足の声も有り、後継機に瞬間的なブースト機能などが付いたことも考えると、流れの早い幹線道路を走るにはこの頃はまだ力不足だったと言うことでしょう。
ただしパワーは非力でも、パッソルはオイルレス・ガソリンレスのバイクなので屋内保管しやすいバイクとなっています。ガソリン臭やオイル漏れとは無縁です。軽くて大人なら簡単に持ち運べる分、盗難されやすそうなバイクですから屋内にしまっておけるのは良いですね。エンジン音もなく、騒音にシビアな夜間での走行も気を使うことが有りません。

バッテリーは二輪車初となる6kgの脱着式リチウムイオンバッテリー。満充電から32kmの走行が可能です。市街地での走行ではもう少し落ちて約15~20kmが公称値とされています。充電の完了までに2.5時間で完了するので、あまり待たずに使用することが出来ます。

価格は充電器込みで240000円。当時は電動バイク自体特殊な車両だったこともあり、値段的には少し高価かも知れません。ただし財団法人日本自動車研究所の電気自動車導入補助から二輪車として初めて補助金給付の対象となりました。もっとも初期の頃は一括10台以上を導入した場合に一台当たり最大5万円を給付という形だったので、個人で給付を受けられた方はどれだけいたのか・・・。

Passol-L 2005-

ヤマハ Passol

Passolは2005年にモデルチェンジしてPassol-Lに生まれ変わりました。
EC-02の技術が新たに導入され、モーターとバッテリーの性能向上による出力アップ、航続距離の延長を果たしました。Passolで課題だった非力さやバッテリーの持ちを改善し、更に値段も下がったという事実上の正統進化モデルです。
タイヤサイズはPassolと同じ60/100-12ですが、EC-02でも採用された転がり抵抗の少ない低ロスコンパウンドタイヤが使用されています。
パワーユニットはアルミのリアアームと一体になったYIPUで、最高出力は1.2kwになりました。バッテリーも改良が加えられたことで走行距離が43kmにアップしました。その分バッテリーの充電時間は6時間に大幅に伸びましたが、これは距離を伸ばす都合上仕方ないでしょう。
車両重量はわずかに重くなり、47kgです。

なお価格は209790円(税込)とモデルチェンジでわずかに値段が下がっています。補助金も新車一台購入で最大5万円が支給されるため、個人でも補助金を利用しやすくなりました。ただそれでもヤマハの年間国内販売計画は200台に留まっていたので、内外ともにニッチな乗り物という印象が強かった様です。

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