AeroxRはスポーティさを売りにした50ccスクーターで、主な販売先の欧州ヤマハでは若者向けの2ストロークスポーツ車として人気を博しています。
AeroxR 2013-
スタイリングは非常に凹凸の複雑なボディで同クラスのスクーターとしては珍しい造形です。鋭いヘッドライトも同社スポーツバイクのYZF-Rシリーズを意識しています。スクーターのシートは比較的フラットな形状にするのが一般的ですが、タンデムシートをスポーツバイクの様に起伏を設けています。サイドのRマークも含め、スポーティな外観を意識して作られています。それに見合うようにシャーシも専用チューンの高剛性シャーシを積み、コーナーリングを楽しめるヤマハらしいハンドリングを追求しています。
ボディーサイズは1870×700×1155mmで、サイズ感は普通の50ccスクーターと変わりません。シート高は815mmと小排気量のスクーターとしてはすこし高めの数字です。車両重量は97kg有ります。
足回りはフロントにテレスコピック式の正立フォークに、リアはユニットスイング式のサスペンションを採用しており、この辺りはごく普通の構成です。ただしサスストロークはフロント80mm、リア70mmでスポーツ色を出すためにかなり固めに設計されています。これでも近年のマイナーチェンジでリアのストロークを少し余裕を持たせたくらいです。
ブレーキも前後に190mmのシングルディスクを配したディスクブレーキ仕様で、前後ディスクというのは現行の50ccとしては珍しいですね。
ホイールは前後13インチを採用し、大きめのホイールサイズを選択しています。タイヤもそれに合わせてフロント120/70-13、リア140/60-13とかなり太めのサイズです。2013年モデルまではフロントが更に太く130/60-13のサイズだったのですが、現在はもう少し細めをチョイスしてハンドリングの軽快感を出しています。
エンジンは49.3ccの水冷2ストローク単気筒。ボアストロークは40×39.2mm、圧縮比は12:1です。最高出力は3.25馬力/回転、最大トルクは0.36kg・m/6750回転となっており、2ストロークにしては出力が控えめなので誤植かと思いましたが、この数字で合っているようです。
変速はVベルト式のオートマチック、始動はセルとキックの併用式です。ここまでかなり運動性能重視なセッティングのAeroxRですが、実用性も担保されていてシート下にはしっかりフルフェイスヘルメットが収まるように設計されています。