大きな単眼ライトが独特の雰囲気を放つヤマハのSOUL GT。2015年にはBLUE COREの搭載した3機目のスクーターとしてインドネシア市場に再投入され、アセアン地域の他、ブラジルなどにも人気が飛び火する人気車種となっています。
SOUL GT 2015-
現行のSOUL GTは2015年にマイナーチェンジし、この時は”街中での注目度No.1のスクーター”をコンセプトにデザインを一新しました。確かにボリュームの有るLEDヘッドライトや鋭角なミラーは近未来的なデザインでホンダのVario125と比較してもヤマハのデザイン力の光る一台に仕上がっています。
フロントのボリューム感で錯覚しがちですが、ボディは1870×685×1070mmで見た目とは裏腹にコンパクトです。シートも760mmと低めに設計されています。
リアシート周りはややスリムなため、その下のラゲッジスペースは14Lと控えめになっています。容量的にはヘルメット一つがギリギリ収納できるくらいですね。燃料タンクは4.2Lです。
足回りは、フロントにディスクブレーキを使い、リアにはドラムブレーキを配しています。
ホイールは前後14インチ。デザインそのものはマイナーチェンジ後も特に変化は有りません。見た目からしてタイヤは細めですが、これでも現行型から前後輪とも幅広なタイヤサイズ(フロント80/80-14、リア100/70-14)を選択し、ボディと釣り合いを取っています。
エンジンはこの世代から115ccを125ccに排気量アップし、エンジンそのものも空冷単気筒のBLUECOREが使用されています。ただしNMAXとは若干仕様が異なり、ボアストロークを52.4×57.9mm、圧縮比を9.5:1に設計しています。比較すると圧縮比はSOUL GTの方が低めですね。最高出力は排気量アップしたことで前モデルから2割以上アップした9.5馬力/8000回転、最大トルクは0.97kg・m/5500回転にそれぞれパワーアップしています。それでも同排気量のNMAXに比べると若干控えめのスペックでは有りますが、この辺り、水冷と空冷の差も大きいように思います。その代わり高回転まで回して出力を稼いでいます。
しかも迫力の有るデザインに対して車両重量は98kgとかなり軽めのスクーターです。これはシグナスXなどもっと軽そうな同排気量のスクーターと比べても数段軽い数字で、驚くべき軽量ぶりです。ショートホイールベースの車体を活かした機敏な動きで、シティコミューターとして使いやすくなっています。またアイドリングストップ機能に相当するストップ&スタートシステムが搭載され、エコロジーさにも磨きがかかりました。
比較的小排気量のスクーターが良く売れるアジア地域向けとはいえ、年間の計画販売台数はインドネシア国内のみで27万台に設定されています。これは日本国内の全オートバイの年間販売台数に並ぶ台数ですから、現地のオートバイ需要の高さが伺えます。
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