最後はKeyMissionシリーズのフラッグシップ、VR動画の撮影が可能なKeyMission360です。コダックなどが先行していたこの分野にニコンが参入するということで発表当時は大変な話題になったカメラです。
まず筐体は正方形のボディの両側にレンズを配置する360度カメラのベーシックなスタイルです。ただこの筐体も当時はかなり大胆に小型化されたものだったと記憶しています。実際、KeyMission360は多数のデザイン賞を受賞しており、そのデザイン性も高く評価されています。
それにアクションカメラとして優れた耐久性を持っており、耐衝撃性に優れ、防水性能も30mと十分なスペックです。レンズに傷が入りやすい形状ですが、それを防ぐためのプロテクターも完備されています。
レンズ部分は7群7枚のNIKKORレンズを二つ搭載する豪華な仕様です。f値も2.0とかなり明るいレンズが選択されています。
静止画の記録サイズは特殊なカメラだけ有ってかなり巨大で、最高7744×3872に設計されています。
動画品質は4K/24pに対応しており、2つのレンズを用いて4K解像度のVR動画が撮れるという点では本機は結構画期的なモデルでした。まだGoProなど他社のアクションカメラがカメラ複数台でVR動画を作っていたので、それに比べると同じ撮影条件を格段にコンパクトにまとめたことも本機の特徴です。
実機の撮影サンプルがこちら。動きのある動画にすると少し荒いですが、定点設置のカメラとしては十分高精細な画質です。
また移動しながらでもブレの少ないタイムラプス動画が撮れるスーパーラプス機能が盛り込まれているのは本機をより魅力的なカメラにしています。アクションカメラとして身につけて動きつつ、なめらかなタイムラプス動画を作りたいという需要に応えています。
記録媒体はMicroSDが利用可能です。特に4K動画はファイルサイズが巨大なので、外部ストレージに保存する方が何かと都合が良いでしょう。
バッテリーは取り外し可能なリチウムイオン電池を使用しています。バッテリー持続時間は2時間20分なので余程ノンストップなスポーツシーン以外はそれほど不足無く使えるはずです。
画質にこだわったモデルだけ有り、本機の筐体は65.7×60.6×61.1と少し大きめです。また重量も198gとアクションカメラとしては重たい部類に入ります。チェストマウントなどでは問題ないと思いますが、リストマウントは長時間の着用で疲れる方もいるかも知れません。
アクセサリーは本体を保護するシリコンジャケットや、ヘルメットマウント、リストマウント、セルフィースティックなどアクションカメラ定番のモデルが揃っています。購入後の汎用性としてはGoProやSONYにも負けていません。
KeyMission360に関してはGoPro Fusionなど強力なライバルが続々と登場してきたことでやや厳しい状況にありますが、4万円台くらいで買えるようになれば今でも魅力的なカメラだと思います。ただ現状の5万円後半の値段だとライバルと比較したときちょっと苦しいかも知れませんね。