ホンダのGROMが開拓したミニサイズのネイキッドというジャンルにベネリが独自の解釈を加えたのがこのTORNADO NAKED Tです。コンパクトで自在に操縦できる楽しみの有るミニバイクと、イタリア車らしい刺激の有るデザインが上手くマッチしています。
TORNADO NAKED T 2017-
スタイリングは流石のベネリで、上位機種のTNT1130Rにも通じる非常にスタイリッシュなストリートファイタースタイルにまとめ上げています。かっこよさでは125ccネイキッド随一ではないでしょうか。2本出しマフラーやリアフェンダーなど細部の造形は流石の一言です。トラスフレームもインパクトが強く、ミニサイズながら安っぽさはかけらも有りません。
ボディサイズは1770×755×1025mmで、ライバルとほぼ同じサイズ感になっています。ただ車両重量116kgというのは最も重い数字です。燃料タンクは7.2Lと小振りですが、これはGROMよりは大きくZ125よりは小さいくらいで、エンジンの燃費の良さも相俟って極端な不足感は有りません。
サスペンションはTORNADO NAKED Tもフロントに量感の有るφ35の倒立フォークを装備しました。リアにはプリロード調節付きのモノショックが使用されています。ブレーキはフロントに210mmのシングルディスクと2ピストンキャリパー、リアは190mmのディスクとシングルピストンキャリパーのセットで、これらは前後連動ブレーキとして作動する仕組みです。
ホイールは前後12インチのアルミホイール。タイヤサイズは120/70-12と130/70-12になります。
エンジンは125ccのSOHC空冷単気筒です。ボアストロークは54×54.5mm、圧縮比は9.8:1とほぼスクエアストロークのエンジンです。最高出力は11.1馬力/9500回転でGROMやZ125にも負けていません。なにげにこれらよりも高回転仕様となっています。最大トルクも1.0kg・m/7500回転と単気筒なのでトルクフルです。
FIの採用や触媒コンバーターの利用で排ガスの対策はしっかり行われており、EURO4の厳しい規制もクリアしています。
トランスミッションが5速MTというのも個人的には好印象です。街乗りでも正直4速MTはもう1速欲しいと感じる場面が有り、5速MTならその辺りは多少改善されます。
嬉しい事に価格は30万円程で、外車の割にあまり高額な値付けはなされていません。ベネリ車は日本では入手の難しいバイクですが、その分他とは被らない個性的なミニバイクです。