テネレ250はヤマハが海外向けに展開しているオフロード車で、テレネシリーズの250ccモデルとなります。テネレと名が付くだけ有り、このクラスのオフロードとしてはタンク容量も大きく、航続性が高いのが特徴です。
TENERE250 2016-
テネレ250は2010年に発売されたモデルですが、2016年にマイナーチェンジ。その際外装も微調整されました。
まずデザイン面ではスーパーテネレにも通じる中々特徴の有る単眼ヘッドライトに小振りのウインドスクリーンが付いています。テネレシリーズはロングツーリングも想定しているので上位モデルも含めて全て小振りのスクリーンでライダーを保護しているのが特徴です。これにハンドガードにアンダーガードを付ければライダー、バイク両方の保護としては十分ですね。
シート形状はフラットなオフロードと異なり、リアシートを盛り上げる兄弟同様のスタイルを取っています。この型では更にグラブバーの大型化とサイレンサーの形状変更が行われています。なおライダーシートは865mmと少し高めの数値です。リアキャリアは現行型から標準装備され、耐荷重は7kg。LEDテールライトもスーパーテネレをお手本に造形されています。
16Lのビッグタンクを積んでいるため、同クラスのオフロードに比べると給油感覚も相対的に長めになっています。ちなみにこの容量はセローの1.5倍以上大きいです。
シュラウドの面積が広く、その分グラフィックも凝った物が採用されています。
車体のサイズ感は2135×830×1375mmなのでこのクラスとしてはやや大きめです。ホイールベースが長く、高速走行時の直進安定性も良好です。ただし装備が充実している分154kgとかなり重めの車体になっています。オフロード車に軽量さを重視される方にはちょっと重さが気になるかもしれません。
サスペンションはフロントにフォークブーツ付きのテレスコピックフォーク、リアにリンク式モノクロスサスペンションを装備しています。
ブレーキはフロント245mmとリア203mmのシングルディスクの組み合わせ。ホイールはフロント21インチ、リア18インチの本格的なオフロード用サイズです。タイヤはメッツェラーのエンデューロタイヤTouranceで、オンオフ選ばないタイヤですね。
テネレ250のエンジンはセロー系の4ストローク空冷単気筒エンジンで、ボアストロークも74×58mmと同一です。ただしこちらの方が9.8:1と高圧縮な分、最高出力は20.7馬力/8000回転とやや高めです。
なおテネレ250にはブルーフレックスというブラジルの国策に合わせた設定がなされています。どういうことかというとブラジルではガソリンとエタノールが燃料として販売されており、そのためガソリンだけでなく環境への負荷の低いエタノール、あるいは両者の混合でも動く様になっています。スペック表でもガソリンとエタノールを燃焼させた時の最高出力もわずかに異なっており、エタノールの方が若干高く出ます。
トランスミッションはセローやトリッカー同様5速MT仕様です。
価格は現地価格から計算すると日本円で60万円くらいで、装備も含めるとやはりセローなどより高額です。しかし近年の小排気量アドベンチャーバイクが気になっている方には刺さりそうなバイクと言えます。