BMWから中型免許で乗れるC400Xが発売されました。BMWは基本的に大排気量車がメインのメーカーの為、これまではC650シリーズの様にスクーターの中でも極めて大排気量のモデルのみを扱っていました。C 400 Xは国内の中型免許でも搭乗が可能な小排気量モデルとして設計されており、先行して発売されたG310RやG310GS同様、BMWユーザーの裾野を広げるモデルとして2018年以降人気を集めそうです。
C400X 2018-
デザインは今までのS系やK系のデザインを踏襲していたCシリーズと異なり、GS系の顔立ちが特徴となっています。個人的にはこのGS系の顔は今風で、他のCシリーズと比較してもスタイリッシュに決まっています。
またモデル名にＸが付くのも、最近のBMWのラインナップでは無かったことです。少し古いところではG650Xなどが有りますが、これはオフロード系のバイクでスクーターでは有りません。付け加えておくと、今回のC400Xは完全に街乗り向けのオンロードスクーターです。
ヘッドライトやフェンダーはGSの堅牢な雰囲気を取り入れるために敢えてこのデザインを採用しましたが、本質的には快適なシティーコミューターとして設計されています。
大型の液晶ディスプレイはスマートフォンと接続することで最大限性能を発揮するように設計されています。音楽の再生やナビゲーションの操作など多機能なメーターです。
ボディサイズは2210×835×1305mmで、上位モデルのC650Sportなどとサイズは変わりません。ただしスクリーンが幾らか小振りな分、全高は低く抑えられています。シート高も775mmとBMWのラインナップの中では低めです。シート下のラゲッジスペースはヘルメットが2つ収納できる様に設計されています。これはC650Sportでも採用された内部が伸縮するフレックスケースで、荷物を入れるときは見た目以上に高い容量を確保しています。
また車両重量が204kgと軽く仕上がっているのもポイントですね。C650シリーズは250kgほど有る大型スクーターだったので、C400Xは格段に取り回しが良くなっています。650は性能は高いけど重すぎて不安だった、という方にはジャストなサイズ感だと思います。
エンジンは350ccの水冷単気筒で、G310GSなどに使われているエンジンとは異なる物です。ボアストロークは80×69.6mm、圧縮比は11.5:1です。最高出力は34馬力/7500回転、最大トルク3.4kg･m/6000回転となっています。このクラスとライバルとしては、先日国内でも販売がスタートしたスズキのバーグマン400、あるいはヤマハがヨーロッパ向けに展開しているXMAX400が挙げられます。C400Xは後発ということも有り、それらに比べるとスペック面ではもっとも高性能なスクーターです。最高速は139km/hに設計されているため、日本国内の交通法の範囲では不足無い速度を誇っています。250cc単気筒のスクーターでは高速巡航が不安という方は400cc以上が良いのではないでしょうか。
C400Xのオプションには、C650シリーズでも評価の高かったシートヒーターとグリップヒーター、シート高を15mm下げるローシート、防風性を高めるハイウインドスクリーン、見た目もタフなクラッシュバーなどが設定されています。ただし国内仕様に関しては、これまでの慣例から推測するに標準でローシートが付くのではないでしょうか。
価格はC650シリーズが120万円～ということを考えればもう少し安い価格で販売されるはずです。G310GSが70万円ほどなので、それとさほど差が無い値付けとなると思われます。このクラスは高速道路でも十分なパワーを発揮してくれる上に、軽快さも持っているので、C650よりも便利に使える可能性を秘めたモデルと言えそうです。
