台湾のスクーター専門メーカーであるキムコから登場したマキシスクーターAK550。ヤマハやBMWにも引けを取らないハイパフォーマンスなスクーターとして2018年以降スクーターファンの注目を集めそうです。
AK550 2018-
スタイリングはマキシスクーターの中でも非常に攻撃的で、スポーティな雰囲気を重視しています。一方スクリーン長は長く、走行中にはライダーの体を広範囲に渡りカバーしてくれます。
車体サイズは2165×795×1400mm。サイズ感はライバルと比較してもそう変わらない、ほぼ同等の水準ですね。シート高は785mmで若干座りやすい高さとなっています。
サスペンションはフロントにφ41の倒立フォーク、リアには車体左側に寄せたホリゾンタルトレーリングアームリアサスペンションを装備しています。
ブレーキはフロントに270mmのダブルウェーブディスクとブレンボ製ラジアルマウントモノブロック4ピストンキャリパー、リアは260mmのシングルディスクで、ABSはボッシュ製システムを搭載します。サスペンション、ブレーキに関しては完全にスポーツバイク級の高性能な物が搭載されており、サーキットにおける走行性能も十分です。
キムコではAK550の発売に当たり、筑波サーキットでのテストも行いました。国内市場における直接の競合であるTMAXにも劣らない走りをお披露目しています。
エンジンは550.4ccの並列2気筒。最高出力は53.5馬力/7500回転、最大トルク5.67kg・m/5500回転で、これは現行のTMAX530と比較しても高い数字です。最高速も161km/hに設計されているため、高速道路での巡航もかなり余裕が有ります。
内部には270度のクロスプレーンクランクシャフトを採用し、独特の鼓動感とトラクションの良さを獲得しています。またオイルの循環に、スクーター用エンジンとしては珍しいドライサンプ方式を採用しているのもポイントです。
パワーモードはフルパワーとレインの2モードが用意されており、滑りやすい路面では最高出力を2割ほど絞ることで過度なスリップを防いでくれます。ハンドルバーに設けられたスイッチで切り替えが可能です。
フレームはアルミ製のアンダーボーンフレームで、剛性を保ちつつ軽量化し、車両重量は226kgに抑えています。また前後重量配分も49:51とかなり理想的な配分に近づけており、スポーツ走行時のハンドリングの良さに貢献しています。
ただ国内価格が約130万円というのは、キムコのネームバリューを考えると少し厳しいかも知れません。この分野で定番モデルのヤマハ TMAX、BMW C650 Sport、それに最近ではホンダのX-ADVなどもこの価格帯に集中しており、AK550を購入するという選択肢が中々出てこないかも知れません。入手性も当然ながらホンダやヤマハには及びませんし、AK550が国内でヒットするには何かきっかけが必要そうです。ちなみに愛知にはキムコ取り扱い店は2店舗しかない…。