こんにちは、MOSです。
5月末に開催されたSSTR2019に参加したので、UnderPowerMotorsとしてそのレポートをお届けします。
目次
石川県千里浜を目指すツーリングイベント
SSTRをご存じない方のために先に補足させて頂きますと、太平洋の日の出を見てからゴールとなる石川県の千里浜で日本海の日の入りを見よう、という一日がかりのツーリングイベントです。
日本列島を横断しないといけないため、500km以上の走行もザラなタフなツーリングが特徴の1大イベントになります。
最大の魅力は自分で自由にルート設定をすることが出来ることで、ルート設定次第で忙しくもなるし、穏やかにもなる、参加するライダーの数だけ様々な楽しみ方が有ります。
多くの人にとって1泊のツーリングとなるので普段以上に自由が利き、この日だから走れるルートを存分に楽しむことが出来ます。
3400人の枠は1日で完売
そんなSSTRですが、今年は例年以上の盛況ぶりでした。
SSTRの応募は3月から受け付けを開始し、今年は3400名の枠が用意されたのですが、蓋を開けてみると開始から12時間で全枠が完売するという事態になりました。去年は4月頃まで枠に余裕があったのですが…。
SSTR自体、年々知名度を高めており、今年は去年より大分希望者が多かったようです。実際のゴールでは例年以上に参加ライダーによる長蛇の列が発生しました。
ちなみに私は応募開始から30分以内に申し込んだのですが、ゼッケンは1000番台でした。
応募が殺到したことで参加を逃した人も多かったようです。ドゥカティなどは自社のユーザー向けに30名限定の参加枠を設けたりと、ある意味救済処置とも言える現象が起こりました。
ちなみに同時期には鈴鹿サーキットでBIKE!BIKE!BIKE!が有り、2019年は4000人の参加者を集めている、こちらも人気イベントです。それと比較してもSSTRの人気は凄まじく、人数制限が無ければ確実にこの数字を上回っていた物と推定されます。
参加は2年目!
SSTRに参加するのは去年に続いて2度目です。
去年は京都方面から千里浜を目指しましたが、今年は趣を変えて、岐阜を突き抜ける形でゴールを目指すことにしました。しかしそれでは千里浜に着いた段階で大幅に時間が余ることになります。そこでもう一つ目的地を増やすことにしました。
今年は能登半島の先端に有る道の駅狼煙を目指すルートを設定しました。
狼煙はSSTRの代表的なスポットで、多くのライダーがここの通過を目標としています。ただ、富山市に入ってから更に2時間以上走る必要が有るため、はっきり言って行くだけでも大変です…。
実際運営サイドもそれは分かっているようで、ライダーの安全と現地の混雑を懸念して今年から指定道の駅では無くなりました。それでもここがSSTRライダーにとって依然特別な場所であることは変わり有りません。
私は愛知出発なので条件的には有利ですが、狼煙を経由しようとすると最短距離を通っても600kmを超えることになります。去年に比べるとあまり時間的な余裕は無く、ひたすらバイクを走らせる一日となりました。
そして目的地の道の駅狼煙に到着。正直、この段階で写真を撮るのも億劫な程疲れ切っていました。狼煙は予想以上に遠かった!
能登半島の最北端に位置する小さな道の駅ですが、当日はバイクでごった返していました。
ただ、ここ周辺はひなびた港町という風情で、大勢のバイクが一度に走ることは日常的では無いのでしょう。イベント主催側として現地にご迷惑をおかけしない、という意味では狼煙が指定道の駅から外れたのは自然の成り行きかもしれません。
ロードサービスも充実
3000台を超えるバイクが1日がかりで走ってこればトラブルだって起こります。
そこでSSTR当日にバイクが故障したりした場合に備え、今年はロードサービスが無料で付帯することになりました。ゴールから50km以内でトラブルが起きたときは、近隣のバイクショップまで無料で搬送してくれます。
ゴールまでの行程を考えるとわずかですが、何か有ったときに見知らぬ土地でサービスを受けられるのは安心ですね。私の知人も当日パンク被害やクラッチの不具合に遭いましたし…。
当日はSSTRライダーばかり
例年、この日だけは道の駅やSAの雰囲気がいつもと異なります。
というのも、駐輪場に止まるバイクには大抵SSTRのゼッケンが貼られているからです。それは高速でも下道でも一緒で、至る所でSSTRライダーとすれ違うことが出来ます。
勿論お互いに顔も名前も知りませんが、一つのイベントに参加する仲間のライダーと沢山お話できる機会が有るのは、SSTRの醍醐味です。国産バイクの他に、ドゥカティやBMW、モトグッチィなど外車勢の参加台数も多く、ウラルなどサイドカー付きの車両も見受けられました。
普段一人で千里浜まで向かうのはどこか寂しいですが、SSTRでは常に仲間がいてアウェー感は有りません。
人気故の弊害も実感
SSTRは3000人を超えるライダーが集まります。そして各々が決めたルートで走るルールです。
SSTRには日没に間に合うこと、という厳格なルールが有るので、どんなルートを通ってもまずは日没に間に合わなければなりません。
しかしタイトなルートを選択すれば、当然それに間に合わなくなるケースが出てきます。急いでいるときほど運転は雑になる物、今年は日没前の某所にて始めてバイクの事故にも遭遇しました。幸い運転していたライダーは無事でしたが、バイクの方は自走は難しそうな状況。せっかくのイベントも事故を起こしてゴールできなければ台無しです。
一日走るのがSSTRの醍醐味ですが、やはり時間に余裕を持ったルート作りが大事だと改めて実感しました。
そして今年はゴールが千里浜の他、輪島と和倉温泉の3カ所に併設されました。3000名を超えるライダーが集まるようになったため、千里浜の収容力もいよいよ限界と言った感じです。
元々ホテルや民宿は去年でも満員御礼の状態でしたが、更に集まったライダーをどこに収容するかという問題が深刻化してきた様に見えます。最初の試みとなる今年は、ほとんどのライダーが千里浜をゴールに設定したようですが、来年以降ゴールの分散が進めば5000人くらいの収容は可能なのではないでしょうか。
SSTRが今以上に大きなイベントになるなら、キャパシティの問題は絶対に改善が必要です。ゴールを分散すれば広い地域の活性化にも貢献することになります。その点については来年の改善が楽しみですね。
年々参加者間の競争要素は薄れてきている
SSTRは道の駅やSAを回るとポイントが付与され、その合計点が個人の成績となります。上手くルートを組んで沢山のポイントを集めるのもSSTRの楽しみ方です。
しかし一方で、限界までポイントを集めようとするインセンティブが働きます。そうなると休憩を最小限にしたり、平均速度を上げるライダーが出てきます。
参加者の安全性の向上のため、運営サイドもあまりこのポイント要素を触れなくなってきている様に感じます。
最もSSTRはレースではないので、安全を第一に考えたときに無理も有りません。参加者のミーティングとして楽しめるマイルドな方向に進んでいると感じました。
これに関して、個々人で感じ方は異なると思いますが、あまり競技色が高くない方が幅広いライダーが参加しやすく、安全性も高いのかな、と考えています。距離やポイントを追求するために過激化するのを、私は望んでいないです。
ちなみに今年のSSTRに関しては、ウィリー走行車や吹かし行為などは見られず、終始マナー良く終わった印象を受けました(皆疲れていてそれどころでは無かった可能性も有りますが
BMW Motorradがブース撤退したのは残念
BMWライダーとして一点残念だったのは、今年は協賛のみでブース出展が無かったことです。
ホンダやトライアンフが最新のバイクを持ち込む中、BMWはテントも無し、というのはいささか寂しい印象を受けました。特にトライアンフは例年かなり力を入れています。
これはブース出展がその後の売上に直結しなかった、という企業として厳密な判断が有ったのかもしれません。
ただSSTRにはBMWライダーの参加者数が非常に多いです(特にGSとRT)
実際にSSTRを走ったBMWライダーの生の声が会場には溢れているわけで、実車を持ち込む以上にそうした声を拾っていくことが、他社のバイクに乗るライダーに「いつかはBMW」という印象を与えることになっていくのではないでしょうか。
こうしたツーリングイベントはBMWの得意とするところなので、何かしらの形で継続的に参加して欲しいですね。
安定した楽しさを提供するSSTR、2020年も行きます!
SSTRは今年で2度目ですが、去年と全く異なるルートで、別物の感動を味わうことが出来ました。
なお、後日この車両を見たという方のご報告をTwitterで頂きました。
かなり特徴的なバイクなので気づいた方もいらっしゃったようです。今の仕様で走り出して1ヶ月ほどですが、見かけたご報告をチラホラ頂いています。
今後も関東から関西エリアを中心にツーリングに出かけていきますので、お気軽にお声かけ下さい。