感光乳剤としては一番入手しやすいのがこの新日本造形さんの感光乳剤EXではないでしょうか。
Amazonや楽天を始め、インターネットの至る所で入手することが出来ます。全感光乳剤の中でも価格の高い方の製品ですが、性能も実は折り紙付きです。
水性・油性兼用の感光乳剤
先日紹介したSD-40Rが水性インク専用だったのに対し、感光乳剤EXは水性インクと油性インクの両方に対応した感光乳剤で、使用後に水や溶剤で洗浄しても版が壊れないように作られています。
個人ユースでは溶剤の要らない水性インクを使うことになるかと思いますが、油性インクを使い始めても感光乳剤が無駄にならないというのは嬉しいですね。
粘度の高い黄色の乳剤
パッケージは基剤とジアゾの2種類で、これらを自分で混合して使います。混ぜた後は薄い黄色で、硬化するに連れ、茶色に近づいていきます。
乳剤の粘度は比較的高く、厚い膜を作りたい向きにも対応してくれます。あまり垂れたりとかはしないので周りを汚さないのは楽で良いです。
乳剤の感度はそれほど高くないようで、スクリーンに塗布して24時間くらいは特に品質に差は出ません。なので前日に数枚作って寝かしておくという使い方も出来ます。
かなり細かいディティールまで出せる良作
露光後の感光乳剤EXは強固な膜を形成します。そのためシャワー洗浄への耐性は結構高いです。Tシャツくんスクリーンなどと比べても数段強固です。
露光時間を守った感光乳剤EXはしっかりスクリーンに食いついてくれるので、網点印刷など細かい現像でもガッツリ水洗いできます。慣れてくると作業性はかなり良いです。
僕が過去に印刷した網点印刷にもこの乳剤が使われています。30線から40線くらいの細かい網点もこいつならかなり作業性良く製版することが出来ます。SD-40Rより少し細かい描写が得意です。
そしてロゴの製版も含め、これ一つで大抵の作品は作ることが出来ます。
一番ポピュラーな乳剤ながら、実は”相当細かい描写までこなす実力派“といった感じです。
剥がれたり浮いたりするのは露光不足
現像中にシャワーの水で浮いてしまったり、剥がれて来てしまうのは、一般的に露光不足が原因です。塗膜が剥がれてくる時には露光時間を増やして、反対に中々落ちてこない様なら露光時間を減らします。
感光乳剤EXはしっかり固まりますので、割とガッツリ目に露光してやるくらいが失敗が少ないです。
価格は高いが、小分けされているのが嬉しい
価格は250g当たり2000円弱です。SD-40Rなど大容量で売っている感光乳剤と比較すると、正直割高な気がしてきます。ただし50gから小分けで買えるパッケージを揃えているのはこれだけです。ここは凄く大きい特徴ですね。
900gみたいな大容量パッケージは個人の製版ではまず使いきれないと思います。その点あまり余らず、何とか使い切れる丁度良い量が買えます。A4用紙1枚なら50gでも全然問題無いです。個人的には250gくらいが失敗も含め使い切れる丁度良い容量です。