LM847
ラザレスはバイク以外にもトライクや自動車のカスタムを行っているメーカーで、今回紹介するLM847はマセラティの4.7リッターV8エンジンを中心に据えた超弩級のネイキッドバイクです。
車体のサイズは全長×全幅×全高がそれぞれ2650×900×1000mmとバイクとしては非常に巨大です。一般的に大きいイメージのゴールドウイングやVMAXなどよりも断然大きいから驚きですね。その中心に大きなV8エンジンが鎮座しています。ホイールベースは1850mmで、これも非常にロングホイールベースな設計になっています。その分車両重量が400kg有り、軽快さとは対極に位置するマシンです。
また車体のいくらかは既存車種から流用したようで、例えばリアシート回りはパニガーレ1299の物がそのまま使われています。
サスペンションを含めた足回りは本機の特徴的な部分で、4本の17インチホイールをスイングアームで挟んでいます。ブレーキは、フロントのホイールリムに沿うように配置された420mmのブレーキディスクにNissin製8ピストンキャリパーを組み合わせたフロントブレーキと、リアホイール内に埋め込む様に配置された255mmディスクと4ピストンキャリパーで400kgの車体を減速させます。タイヤは市販タイヤのミシュラン パワーカップ EVOです。エンジンが非常に大パワーなことから、タイヤもサーキット走行に対応するようなハイグリップのタイヤが選択されています。
エンジンは前述の通り、マセラティ製の4.7リッター32バルブV8を搭載しています。自動車用のエンジンを流用しているため、最高出力は470馬力/7700回転、最大トルクは49.96kg・m/4750回転とバイクに搭載しているエンジンとしては非常に高出力です。低速トルクが非常に高く、その為4輪とロングホイールベースの車体で安定させています。
またトランスミッションは1速のみでトルクコンバーターを介して駆動力を後輪に伝えています。駆動はバイクに一般的なチェーンドライブ式を採用しつつ、左右にそれぞれチェーンが存在する特異なレイアウトです。
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実際の走行時の動画がこちら。
ポジションはスーパースポーツに近いですが、非常に幅広のバーハンドルが付いています。車体のバンクに合わせて左右のホイールが柔軟に動く様子がユニークですね。ヘッドライトも含め、大胆に稼動するようになっています。
エンジンやマフラーの配置から、流石にスーパースポーツの様な深いバンク角で曲がるのは難しいのが動画から見て取れます。